国際的過剰流動性とアジア諸国の国内過剰流動性との関係および資本流入と不動産市場への影響を考察の対象としている。裁定の余地が相対的に小さい不動産についても、近年では価格の連動性が顕著になりつつあり、その背景として国際的過剰流動性の影響が指摘されている。今研究ではアジアの住宅市場を対象としているが、国際的過剰流動性がアジア諸国の不動産市場に流入する経路として、1) 海外直接投資等による資本取引による直接的経路、2) アジア諸国の通貨当局による不胎化為替介入が不完全化し、マネタリー・ベースの増大をもたらして不動産市場に流入する間接的経路がある。中国等を対象に上記2つの経路に関し考察している。