18世紀イギリスの美術・芸術論を中心に研究しています。「18世紀イギリスの芸術」といっても、なかなか具体的イメージが湧かないかもしれません。私の学問的関心はこの時代のイギリスで様々な美術・芸術が互いに似通う「姉妹」として扱われていたことにあります。つまり、詩は絵画や音楽の、庭園は詩や絵画の姉妹芸術であるといった考え方が当時はむしろ一般的だったのです。こうした芸術観は19世紀以降決して主流とは言えなくなってしまいます。しかし現代の私達の眼から見ると、むしろ個々の芸術を全く別のものであるかのように捉える19世紀的見方の方が古臭く思われませんか?むろん18世紀の人々は映像や音楽などを現代と全く同じ方法で楽しむことができたわけではありません。でもそんな時代にも現代に通じるような、芸術に対する古くて新しい見方があったということに強く興味を覚えずにはいられません。18世紀は日本の江戸時代にあたる時代ですが、授業を通してこの時代のイギリスの芸術を少しでも身近に感じてもらえたら嬉しいです。