本書は、麻原・佐藤・小井土の行った長門本平家物語の翻字テキスト(『長門本平家物語一、二、三、四』勉誠出版 平成16~18年)を底本にして、これに含まれる自立語の所在(冊・ページ・行)を示し、迅速かつ正確な検索を可能とするものである。長門本は、成立年代は不明であるが、平家物語の古態を残すとともに、鎌倉時代の日本語資料として重要なものである。本書はコンピュータ上に作成したデータベースを基礎とするもので、長門本平家物語の語彙を網羅しており、長門本中の自立語の所在を示すのみならず、各語の用例数を簡単に計測できるとともに、全体的な語彙の傾向を見渡すことができるという特色がある。