現代はインターネットや携帯電話の普及によって、個人と個人の間にととまらず、多数の人どうしの広範なコミュニケーションが可能です。コミュニケーションの範囲は歴史的に少しずつ拡大してきたといえます。その転換期は中世です。平家物語など琵琶法師が諸国をめぐって広める「語り」の文学が発生し、「語り」を通じてコミュニケーションの範囲が拡大するとともに多くの人に解りやすい表現になりました。近代になると明治政府の政策によって「標準語」が定められ、国語教育の推進やメディアの発達によって日本全国に普及しました。現代は若者ことばの隆盛など、新たな日本語の変化も起きています。みなさん、コミュニケーションの歴史としての日本語について考えてみませんか。