人文社会科学の知は、文化圏や世代、人々の個性などによって異なる思想や感情、世界観の多様性・複雑性、すなわちELSI(倫理的・法的・社会的問題)を扱い、AIなどの先端技術開発に対して1)初期における「問いの設定・深堀り」、2)実装普及段階における「分断への架橋・なじみの創出」の2局面で特に貢献する。そこで、こうした社会人文社会科学の知を活用し、技術と社会、および異なる領域間でのコミュニケーションを研究対象とする。
そして、背景が異なる研究者、技術開発者、メディア製作者らが活発な議論を創発する「対話の場」を構築し、その議論内容をアイデア源としたウェブサイト、マンガ・アニメ等の多種多様なメディアを製作して社会に届け、フィードバックを得ながら改善を図る。さらに、コンテンツ読者中でさらなる議論やコンテンツが生まれるための方法論を広く提供する。
以上の成果により、1)一般市民、および2)技術開発方針を定め、技術開発の上流に影響を与えながら社会制度の設計を進める政策担当者や、技術を元にビジネス化を進める企業経営層の行動変容を促す。