従来妥当だとされてきた代表的個人の存在を仮定する動的一般均衡資産価格モデルでは、観察された実現資産価格収益率を定量的に説明できない事が判明している。近年では、ヘッジできない消費リスクが資産価格に及ぼす影響を米国の家計調査の個票データを用いた非完備動的一般均衡モデルで考察したConstantinides and Ghosh(2017)が注目されている。日本でも彼らのモデルはヘッジできないリスクの資産価格への影響を有効に説明できるのかを解明するために本研究は、彼らが提案するモデルを応用し、家計調査個票データを用いてヘッジできない消費リスクの重要性及びそのリスクの資産価格への影響を考察する。