本書は平家物語の広本系諸本の中から、長門本および延慶本の本文を対照させ、相互の本文異同や出入りの状態を一目で把握できるようにして、両本の関係のみならず、平家物語全般の成立を究明する基礎資料として提供するものである。長門本は麻原美子・佐藤智広・小井土守敏編『長門本平家物語一、二、三、四』(勉誠出版 平成16~18年)、延慶本は北原保雄・小川栄一編『延慶本平家物語本文篇上・下』(改訂再版 勉誠出版 平成11年4月)を基にして(それぞれ誤植の修正等、若干の変更がある)、利用者の便を考え、それぞれの本文を容易に参照できるように、出現位置情報(ページ・行番号)も表示する。