メッセージ

基本情報

氏名 桃崎 有一郎
氏名(カナ) モモサキ ユウイチロウ
氏名(英語) Momosaki Yuuichiro
所属 人文学部 日本・東アジア文化学科
職名 教授
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メッセージ

歴史学には、いくつかの側面があります。
 一つは歴史それ自体を学ぶことで、現代の私たちの存在や生活文化などが、なぜ、いつ、いかにして生まれ、継承され、変容してきたかを学ぶことです。歴史に教訓を学ぶということももちろんですが、それ以上に、〈私たちがたどってきた道を振り返ることによって、今現在、私たちがどこに立っているのか〉を知り、それによって〈これから私たちはどこへ向かうべきか、そのために私たち一人一人がすべきこと/できることは何か〉を見通すのが、歴史学の重要な役割と考えています。
 もう一つは、情報学としての側面です。歴史学の素材(史料)は、常に断片的です。歴史学は、その断片的な情報から全体像を復元し、当事者の一方的な主張から全体像を復元する、という作業の繰り返しです。授業ではその手法を講義・演習で学ぶことにより、〈情報の扱い方・読み方〉そのものを学びます。たとえるなら、〈新聞に何が書かれているか〉を学ぶのは、高校までの学びです。大学の歴史学は、〈新聞に何が書かれていないか〉を読み取り、背後にある社会の全体像を、断片的な情報から復元するような力を身につけます。そうした情報リテラシーの獲得は、断片的な情報が溢れる現代社会で〈適切に情報を扱う技術〉、つまり〈情報に使われない技術〉を身につける役に立つと考えています。