理想の家族とは、本当にあり得るものなのでしょうか。また、昔の家族は、本当に理想の家族だったのでしょうか。現代社会における諸改革の根幹であるこの家族/家庭教育のあり方について、議論もせずに「家族はこうあるべきだ」「昔はよかった」などの考え方を前提とされる改革は、現実にそぐわず、無駄に終わってしまいます。家族/家庭教育に原因があると言われて久しいなかでいまだ打開策を見出せない今日、その前提とされていることを改めて問い直すことが必要なのではないでしょうか。家族/家庭教育にまつわり当然のこととされている諸概念について過去・現在を丁寧に検証し直し、いま、そしてこれからの家族/家庭教育のあり方を議論していくうえで真に必要な視点を提示します。