メッセージ

基本情報

氏名 水口 拓寿
氏名(カナ) ミナクチ タクジュ
氏名(英語) Minakuchi Takuju
所属 人文学部 日本・東アジア文化学科
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

メッセージ

台湾を知りましょう。
台湾を知ることは、いま日本が、また世界が抱える問題に気付くためのヒントになります。国際的な安全保障に関わるもの、民主政治の光と影に関わるもの、インフラストラクチャーの整備に関わるもの、個々人のライフスタイルに関わるものなど、本当にいろいろ。そして、これらの問題について主体的な解決の可能性と、解決のためのロードマップを考えるために、台湾の取り組みに注目するのは大いに有効であると言えます。
あなたが実際に台湾を訪れ、台湾を好きになってくれるならば、私はいっそう嬉しいです。多様な文化を育み、多彩な魅力を放つ台湾のことですから、まさに十人十色の「好き」があり得るでしょう。但し、相手の利益や尊厳を損うような、独善的な「好き」の押し付けは許されません。
かつて日本と台湾の間には、不幸な歴史がありました。日本の官民が残した爪痕を、安易な「植民地近代化論」によって免罪できるというのは心得違いです。そのことを忘れてはならない一方で、現在では日台/台日の友好的なパートナーシップが確かな成長を続けており、混迷と危険に満ちた世界の中で存在感を高めつつあることに、ぜひあなたの関心を向けてほしいと思います。私自身も研究者の立場から、台湾の人たちとの健やかな共生と交流のために、僅かなりとも献身してゆきたいと願っています。
 
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私の担当科目に「中国思想史」や「中国思想史演習」がありますが、科目名に含まれる「中国」は、「広い意味での『中国語圏』に関連する」と読み替えて下さい。年度ごとに、さまざまな主題を設けてきました。なお、台湾も「中国語圏」諸国の一角を占めるわけですが、実際には現代中国語(北京語)だけでなく、台湾語、客家語、オーストロネシア系の諸言語など、いくつもの言語が共存を果たしています。