メッセージ

基本情報

氏名 水口 拓寿
氏名(カナ) ミナクチ タクジュ
氏名(英語) Minakuchi Takuju
所属 人文学部 日本・東アジア文化学科
職名 教授
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メッセージ

台湾を知りましょう。台湾を知ることは、いま日本が、また世界が抱える問題に気付くためのヒントになります。台湾を知ることは、それらの問題について解決の可能性を考えることにも繋がります。
あなたが実際に台湾を訪れ、台湾を好きになってくれるならば、私はいっそう嬉しいです。多様な文化を育み、多彩な魅力を放つ台湾のことですから、まさに十人十色の「好き」があり得るでしょう。但し、相手の利益や尊厳を損うような、独善的な「好き」の押し付けは許されません。
 
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私の担当科目に「中国思想史」や「中国思想史演習」がありますが、科目名に含まれる「中国」は、「広い意味での『中国語圏』に関連する」と読み替えて下さい。以下に挙げるのは、年度ごとにいろいろな主題を設けてきたうちの一部分です。
●孔子(姓名は孔丘、前552/551~前479)の言行録である『論語』を取り上げ、朱子(姓名は朱熹、1130~1200)・伊藤仁斎(1627~1705)・荻生徂徠(1666~1728)が付けた注釈を比較する。
●孔子という人物が、後世の思想家や為政者から「ブランド」として利用され、そうした中で王位を追贈されたり、神格化を被ったりしたという現象を、近代日本の事例を含めて考察する。
●ジャン=ジャック・ルソーの社会契約論に基づいて数々の漢文古典を再解釈した、劉師培の『中国民約精義』(1904刊)を思想史学の観点から論評する。
●台北に生まれ、東京やベルリンなどで名を揚げ、北京に没した音楽家、江文也(1910~1983)の心の軌跡を追いかける。
●更にはジョルジュ・サルマナザールの『日本の皇帝の支配下にある島、台湾の歴史と地理についての叙述』(1704刊)を俎上に載せ、虚構に満ちたこの書物の奥底に、何らかの真実を探し求める。