震災から15年。石巻市立大川小学校で起きた悲劇は、行政責任を問う訴訟などを経て、社会の中で「語りにくい」出来事となりました。本展は、この「語りにくさ」を見つめ直し、多層的な記憶や語りのあり方を提示する試みです。
会場では、遺族らによる伝承活動の記録や表現のアーカイブを紹介するほか、新たに制作された対話型プログラムなどを展示します。特筆すべきは、震災の直接的な記憶を持たない大学生が共同制作者として参加している点です。学生たちは対話を通じ、自らの視点で困難な遺産(Difficult Heritage)に向き合います。
本展が、多様な立場の人々の参与によって、「語りにくい」出来事を「語りうる」物語へと編み直していく、世代を超えた対話の場となることを願っています。
企画代表:野口靖